忘却曲線を活用した英単語復習:FSRSとフラッシュカード

作成日:2026年10月30日

単語を覚えても、使わないまま時間がたつと思い出しにくくなります。だからといって、すべての単語を同じ間隔で復習する必要はありません。

この記事では、忘れる前に復習する「間隔反復」と、カードごとに次の復習時期を調整する FSRS を、EigoPal のフラッシュカードを例に紹介します。

忘却曲線と間隔反復

新しく覚えたことは、時間がたつにつれて思い出しにくくなります。これを図にしたものが「忘却曲線」です。忘れる前に思い出す練習をすると、記憶を保ちやすくなります。

ただし、忘却曲線を全員・全単語に同じ日数で当てはめることはできません。すぐ覚えられる単語もあれば、何度も迷う表現もあります。そこで、カードごとの回答をもとに復習時期を変える方法が「間隔反復」です。

FSRS とは

FSRS は、カードを見たときの回答から、そのカードの記憶状態を推定するスケジューラーです。主に次の情報を使います。

  • 安定度(Stability):記憶がどれくらい保たれそうか
  • 難しさ(Difficulty):そのカードを覚えるのがどれくらい難しいか
  • 想起可能性(Retrievability):今、正しく思い出せる可能性の推定

回答のたびにカードの状態を更新し、目標とする想起可能性に近づく時期を次の復習日にします。単純に「覚えていたら間隔を2倍にする」という決め方ではなく、カードごとの状態と回答に合わせて日程が変わります。

4段階の回答を使い分ける

EigoPal の予定復習では、答えを確認したあとに 4 段階から選びます。

回答 選ぶ目安
Again 思い出せなかった、または間違えた
Hard 正解したけれど、かなり迷った。目安は 10 秒以上
Good 自力で正解を思い出せた。目安は 3〜10 秒
Easy すぐに迷わず正解できた。目安は 3 秒以内

秒数は判断しやすくするための目安で、厳密な合否ラインではありません。アプリが回答時間を測って FSRS に渡すこともありません。正解したか、自信を持って思い出せたかを優先して選び、迷ったら控えめな評価にしましょう。

EigoPal のフラッシュカードでの使い方

日記や英語相談などから My 辞書に登録した単語・表現が、復習カードになります。「フラッシュカードで復習」では FSRS がカードごとの状態を更新し、次の復習日を決めます。

  1. 表面の英語を見て、答えを開く前に意味を思い出す
  2. 答えを開いて、自分の回答と比べる
  3. 正確さ・迷い・思い出すまでの時間を目安に、Again / Hard / Good / Easy を選ぶ
  4. FSRS が次の復習日を調整する

アプリでは FSRS-7 の標準ウェイトを使い、目標想起率を 90% に設定しています。カードごとの状態は回答のたびに更新しますが、利用者ごとの計算パラメーターを学習する機能はありません。復習間隔は最大 30 日です。

また、予定復習を 1 日 10 枚までにしています。上限を超えたカードは削除されず、後の日に復習できます。

FSRS に切り替わるカードについて

切り替え前のカードは、現在の復習日を保ったまま復習対象になります。そのカードを FSRS で初めて評価した時点から、新しい記憶状態を記録します。切り替え前の詳しい回答履歴は保存されていないため、過去の記憶状態をさかのぼって正確に復元することはできません。

続けるコツ

  • 答えを見る前に、まず自力で思い出してみる
  • 正解しても、迷ったなら Easy ではなく Hard を選ぶ
  • 秒数を厳密に数えず、正確さと自信で判断する
  • 一度にたくさん詰め込まず、少しずつ予定復習を続ける

FSRS は復習のタイミングを考えるための仕組みです。実際に声に出したり、自分の文で使ったりする練習も組み合わせると、単語を会話で使いやすくなります。

参考

  • FSRS のアルゴリズム解説(公式 Wiki)
  • ts-fsrs(公式 TypeScript 実装)